★恵まれた音楽環境と経歴を持ちながら作品数は決して多くないデュアンが、セクステットの作品『Things of that Particular Nature』(SSC1390) をリリースしたのは2014 年。オーソドックスなスタイルの中に、ジャズの魅力を詰め込んだ作品は、ジャズの伝統をしっかり見つめてきたアーティストだからこその演奏があり、リスナーを喜ばせてくれましたが、本作も、そんなデュアンの魅力が詰まっています。
★メンバーは、デズロン・ダグラスにエリック・マクファーソン。つまり、『Things of that Particular Nature』のリズム隊そのもの。しかし、編成はトリオ。より個人のスペースは大きく、またハーモニー楽器が入らないこともあって、ソロの展開には表現力と説得力が求められるところ。しかし、今の三人には、この編成がフィットしている模様。決して音で埋め切るのではなく、豊かなメロディと、アーティキュレーションで音楽を表現するデュアン、オーソドックスなリズムから、アクセントをつけ、様々な仕掛けをつくるマクファーソンのドラム、その2 人を繋ぎ、絶妙のグルーヴを生みだすダグラスのベース。ここにはジャズという音楽が本質的にもつロマンが聴こえてきます。
★普遍的なジャズの魅力を感じさせてくれる一作です。
メンバー:Duane Eubanks (trumpet), Eric McPherson (drums), Dezron Douglas (bass)