★ 1970年代から80年代半ばにかけて、ハンブルグ及び、ドイツ全土のジャズ・シーンの中心を占めていたOnkel Po's Carnegie Hall でのライヴ音源を作品化するシリーズ。フレディ・ハバード・クインテットによる1978年11月の演奏。 ★ フレディは、1974年から79年までの5年間をColumbia専属として過ごしていますが、これはその間に自らのレギュラー・グループを率いて渡欧した際に行ったライヴ・パフォーマンスで、どちらかというと大編成によるフュージョン系のアルバムが多かったColumbia作品とは一線を画すハードな演奏が続きます。 ★ サンタナ「キャラバンサライ」でのプレイも印象深かったベテラン・サックス奏者ハドリー・カリマンやデビュー間もないビリー・チャイルズ、そして、今やゆるぎないプロデューサーとしての地位を築いたラリー・クラインと共に吹きまくるフレディは絶好調(彼の好調ぶりは、この数ヶ月前にV.S.O.P.のメンバーとして来日したときのプレイを思い起こせばお分かりのことと思います)で、Columbia作品のタイトル曲「Love Connection」をはじめ、傑作として知られる「Little Sunflower」やV.S.O.P.のレパートリーとしても知られる「One Of A Kind」などの自作5曲とお得意のバラード・レパートリー「Here's That Rainy Day」という選曲は、当時のフレディにとって最良のレパートリー構成になっています。 ★ 完璧なコントロールに裏付けされたハードで切れ味鋭いフレージングはまさにフレディならではで、当時のColumbia作品の中では聴くことのできなかったフレディのプレイヤーとしての凄さを存分に楽しむことができます。カール・バーネットの多才なドラム・ソロやハドリー・カリマンの個性的な構成力が光るテナー・ソロを配した''One Of A Kind''は、このクインテットの実力が100パーセント発揮されたパフォーマンスで、何と25分を超える力演ですが、どこにも緩みがなく、聴く者をひきつけてやみません。