2024年のカンヌ国際映画祭で初上映され、その後のアニメ映画界を席巻、インディペンデント作品ながら最終的に2025年度アカデミー賞とゴールデングローブ賞をW受賞する快挙を成し遂げた画期的CGアニメーション映画『Folw』。この作品で一躍世界のトップ・アニメーターとなったギンツ・ジルバロディス監督の原点であり、記念すべき長編監督デビュー作が本作『Away」である。8歳でアニメーション制作の道を志したという当時弱冠25歳の全く無名の青年が、一日も休むことなく3年半もの時間を費やし、たった一人で全てを作りあげたセリフの無い画期的ロードムービー。その革新性と独創性に富んだ作風は、アニメ映画界で最高の権威を誇るアヌシー国際映画祭において、先鋭的作品を対象とする“コントルシャン”部門で初代グランプリを受賞するなどすでにデビュー当時から注目されていた。その後、世界の映画祭で9冠を達成し、高い評価を受けたラトビアの若き新星は、５年後の監督第２作『Flow』で早くも世界の頂点に立った。その唯一無二の才能はすでに本作『Away』で確立されており、『Ｆｌｏｗ』の原点として、またその飛躍的成長を確認できる意味においても、本作は『Flow』と同列で語られるべき傑出した１本であると言える。