1. FORTUNE TELLER 2. PERSIAN RUG 3. NOCTURNE 4. SUPERA 5. STOP GO START 6. ACTIVATE 7. PRESLEY 8. PROSPERO 9. I’LL BE SEEING YOU 10. HARLEM BLUES 11. RYLAND
Producer: Jesse Harris All songs written and published by Julian Lage except: M2 (Gus Kahn and Charles Daniels) M3 (Spike Hughes) M9 (Sammy Fain and Irving Kahal) M10 (W.C. Handy)
☆また、本作では、オリジナルを中心とした今までとは変わって、20 世紀の初頭から半ば、バップ以前の音楽を自分なりに表現したかったとのこと。実際レイジは、ブルックリン拠点のギタリスト/バンジョー奏者、音楽学者であるMatt Muni sti ri 氏に頼み、1920年代のメランコリックな風合いを持った曲の数々を紹介してもらって聴きこんだのだそう。シドニー・ベシェ、ジェック・ティーガーデン、ビックス・バイダーベック・・・そして、それらの楽曲に感銘を受けると共に、メランコリックな感覚がにじむメロディに忘れかけていたものを思いおこされ、自らの感性をとおして、それらの世界観を作品化したくなったのだそうです。
★ベースには、スコット・コリーとケニー・ウォルセン。このリズム・セクションは、西海岸の名クラブで、ジュリアンが、憧れのジム・ホールの公演を見た時のメンバー。そして、プロデューサーには、意外にも、あのジェシー・ハリス!ジェシー・ハリスは、ノラ・ジョーンズの <Don' t Know Why> の作曲者にして、このほど、自身でペトラ・ヘイデンとの共演作品もリリースし、プロデュース力にもキラリと光るものを感じさせますが、ここでも、作品に大きく貢献しています。
☆ジュリアン曰く、ジェシー・ハリスは、自分の音楽の方向性を理解してくれ、的確なこだわりと、いい意味でのリミットを設けてくれたとのことですが、ここには、ジュリアンが魅惑された古き良きアメリカ〜アメリカーナ〜の世界のなつかしみと、洗練されたサウンドが同居。1920 年代のカントリー的な空気感が漂うM2<Perisian Rug>や、サッチモの演奏でも広く知られるW.C. ハンディの M10<Harl em Bl ues>、またミュージカルを原点とし、フランク・シナトラをはじめ、数々の歌手に歌い継がれてきたバラードM9<I'll be Seei ng You> などスタンダードの演奏で楽しさと哀愁を表現。一方、オリジナルも秀逸。50’sの懐メロ感覚が新鮮なM7の曲名はなんと<プレスリー>。M4辺りでは、ジョン・スコフィールドとパット・メセニーがツイン・ギターで参加したマーク・ジョンソンのベース・デザイアーズ辺りを彷彿とさせたりもします。青い空、広がる平原、懐かしさと切なさ、郷愁〜こうしたサウンドを聴くと、ジュリアン・レイジが、ジム・ホール〜パット・メセニー、ジョン・スコフィールド、そして、ビル・フリゼールといったアーティストの系譜に連なることも鮮やかに浮かび上がります。