1.After the Morning(J. Hicks) 2.Mr. Anonymouse(G. Cables) 3.Naima’s Love Song(J. Hicks) 4.It Don’t Mean a Thing (If It Ain’t Got That Swing)(E. Ellington / I. Mills) 5. Lotus Blossom(B. Strayhorn) 6.Love You Madly(E. Ellington) 7.EVC(G. Cables) 8.Lush Life(B. Strayhorn) 9.Voyage(K. Barron) 10. Day Dream(B. Strayhorn)
メンバー:George Cables(p), Essiet Essiet(b), Victor Lewis(ds)
★サイドマンとしての仕事が多忙であったため、リーダーとしての録音機会はキャリアや実力と比較すると決して多くありませんが、1944 年生まれ、近年60 代70 代となってリリースされる作品はどれも秀逸。2013年にリリースされた『Icons and Influences』は10年先輩のシダー・ウォルトン、後輩のマルグリュー・ミラーに追悼の意を表した演奏なども織り込み静かな感動を呼びました。
★そして、本作も偉大なるピアニストの楽曲を選曲した滋味溢れる作品になりました。
★演奏されるのは敬愛するジョン・ヒックスを始め、デューク・エリントン&ビリー・ストレイホーンの楽曲たち、そしてケニー・バロン。共通するのは、どのアーティストのどの楽曲にも、インテリジェンスが薫るところでしょう。ミディアム、スロウのバラードはもちろんのこと、文字通り“スウィング”をテーマにしたM4 のようなリズミカルなナンバーも、気品が漂います。それこそはケイブルスのジャズへの敬意から生まれるものと感じますが、ロバータ・ガンバリーニが選曲したことによって出会ったオープニング<After the Morning> の演奏では、名クラブであったブラッドレイズでジョン・ヒックスがピアノを弾いていた姿を思い出し、数々の記憶や感情が蘇ったのだとか。ジャズの歴史を生きてきた、なんともケイブルスらしいエピソードといえましょう。