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CDアルバム

クルターク : カフカ・フラグメンテ (カフカ断章) / イザベル・ファウスト、アンナ・プロハスカ (Gyorgy Kurtag : Kafka-Fragmente / Isabelle Faust, Anna Prohaska) [CD] [Import] [日本語帯・解説・歌詞訳付き]

2022/10/19 発売

KKC-6556

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¥3,300 (税抜価格 ¥3,000)

大注目盤!
イザベル・ファウスト&アンナ・プロハスカ
世界がみとめるふたりの共演によるカフカ断章

[商品番号 : KKC-6556] [原盤品番 : HMM-902359] [CD] [Import] [日本語帯・解説・歌詞訳付き] [HARMONIAMUNDI / KING INTERNATIONAL]

ジェルジ・クルターグ (b.1926-) : カフカ断章 op.24

録音 : 2020年5月、テルデックス・スタジオ・ベルリン

イザベル・ファウスト (ヴァイオリン/1704年製ストラディヴァリウス""スリーピング・ビューティ"")
アンナ・プロハスカ (ソプラノ)

イザベル・ファウスト (ヴァイオリン) と、アンナ・プロハスカ (ソプラノ) という、今世界の誰しもが認めるふたりの演奏家の共演による録音が実現しました。
作品は、「カフカ断章」。1926年ルーマニア生まれのハンガリー人作曲家クルターグが、フランツ・カフカ (1883-1924) の断片的な40のテキスト (クルターグ自身が選んだ) に、ヴァイオリンとソプラノという珍しい編成で作曲した作品です (1987年完成) 。

【作品について】
「カフカ断章」は、カフカが書いた日記や手紙、あるいは死後見つかった遺稿から40をクルターグが選び、4部 (I : 19曲、II : 1曲、III : 12曲、IV : 8曲) に構成、それぞれのテキストに、ヴァイオリンとソプラノのデュオのために作曲したもの (1985-1987) 。全体を通した物語の筋はありません。それぞれのテキストは、「Ruhelost (心がやすまらない) 」と一言のみのものから、孤独の叫びや恋人 (あるいは特定のひと) を思わせるもの、さらに子供への優しいまなざしを感じさせるものなど様々です。テキストはどれも比較的短く、長いものでも約80語ですが、楽曲の長さは30秒に満たないものから、長いもので6分を超えるものまで様々です。
【音楽】
それぞれのテキストは断章というだけあって、短く、しかし非常に凝縮された世界。クルターグは、カフカが書き記した独白や思いを、これ以上なく無駄のないかたちで、ヴァイオリンと声で音楽化しています。いくつか具体的に楽曲を見てみると、たとえば第1曲「善良な者は歩調を合わせて歩く・・・」では、ヴァイオリンが歩みを思わせるように「ド・レ・ド・レ」の音でリズムを刻むうえで、声が五度上で並行してテキストを歌って始まります。第21曲「""持つべきもの""はなく、""あるべきもの""だけがある。最後の一息に、 (窒息) 死に憧れる」という孤独なテキストには、ヴァイオリンが胸をかきむしるように激しく上下に動く上で、ソプラノは独白のようにテキストをうたいます。終曲 (第40曲) は「まぶしい月夜だった。木々の中で鳥が鳴いていた」というテキストで始まり、月のような繊細なヴァイオリンや、鳥の鳴き声を思わせるソプラノが美しいです。五線譜の形態で記譜されておりますが明快な拍子はありません。声楽は囁きから語り声、さらには叫び声など、「うた」という概念を超えた表現が要求されます。ヴァイオリンも、歌う音色から、吠えるようなグリッサンド、乾いたクラスター音、耳をつんざくような高音、さらにはスコルダトゥーラが用いられた一節もあるなど、短いテキストの中にこめられらた叫びや思いを表現するために様々な技法が要求されます。声楽とヴァイオリンの両パートには、表現の可能性の限界の追求が要求されているのです。
【クルターグ】
クルターグは1926年にハンガリー人の両親のもとルーマニアに生まれ、46年にブダペストに移ります。フランス・リスト音楽院で、シャーンドル・ヴェレシュやフェレンツ・ファルカシュ (同門にジェルジ・リゲティ) に作曲を師事。さらにハンガリー動乱を避けて1957-58年にかけて滞在したパリで、メシアンやミヨーのもとでも研鑽を積みます。ブダペストに戻ってからしばらくはコレペティトゥーアを務め、1967年に、リスト音楽院でピアノの教授に就任 (弟子にはシフやコチシュもいる) 、のちに室内楽でも教鞭をとりました。作曲の指導は断固としてしていません。作品は、「ヤーテーコク (ゲーム) 」といったピアノ作品、さらには「サイン、ゲームとメッセージ」と題された様々な楽器のためのソロ作品群、「影」や「しるし」といったチェロ作品などがあり、演奏会や録音でもその作品が取り上げられることは少なくない作曲家といえます。実際、ファウストは演奏会のアンコールでもしばしばクルターグの作品を演奏しており、ファウストにとってもクルターグの凝縮された世界は大切な存在のようです。
【ファウストとプロハスカ、世界がみとめるふたりによる決定的名演】
イザベル・ファウストは、世界がみとめるヴァイオリン奏者として、古楽オケやモダン・オケとの共演から室内楽、リサイタル、そして古楽から現代作品の演奏と、常に世界の最先端にいる存在。最近の録音『兵士の物語』 (KKC-6402/HMM-902671, 992671, 982671) では、大胆に踏み込んだ表現でさらに彼女の深く広い世界をみせてくれたばかり。このカフカ断章でも、それぞれの短いテキストにこめられたカフカの苦しみに満ちた叫びを、えぐるように表現しております。ソプラノのプロハスカは、20歳でデビューし、バレンボイム、ラトルらに認められる、モンテヴェルディから現代ものまでをこなす世界的ソプラノ。プロハスカの表現も、叫び声 (悲鳴) から独白まで、壮絶にして、これよりほかに考えられないのでは、と思わせる説得力に満ちています。ファウストの激しくえぐるような表現から、厳しさや美しさ、ふと優しさも感じさせるヴァイオリンと、プロハスカの、切実な独白から叫び声までもが完璧に「音楽」となっている声。世界がみとめるふたりによる、決定的名演の登場です。